歯周病治療Perio
歯周病とは

歯周病は、歯垢(プラーク)に潜む歯周病の原因菌によって、歯ぐきや歯を支える骨(歯槽骨)に炎症が起こる感染症です。
歯周病の症状には歯ぐきの腫れや出血がありますが、歯周病の初期には自覚できる症状がほとんどないために、異変を感じた時には症状がかなり重くなっているケースが多いという特徴があります。
重症化すると、歯槽骨が溶けて歯を支えきれなくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病によって高まる全身疾患リスク

最近も、歯周病と認知症との関連性が明らかになったというニュースが話題になりました。これまでも歯周病菌は血液の流れに乗り全身を巡ると、さまざまな全身疾患を引き起こしたり、悪化させることが知られています。
認知症のほかにも、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・動脈硬化症・糖尿防・誤嚥性肺炎・早産や低体重児出産など、実にさまざまな疾患の発症リスクを高めるのです。
つまり、歯周病を予防することは、全身疾患の発症リスクを減らすことへとつながります。
歯周病治療の流れ
-
- 1カウンセリング
-
現在、お悩みの症状のほかに、患者さまの生活習慣やこれまでの歯科治療歴などについておたずねします。
-
- 2検査
-
歯周病がどのくらい進行しているのか、お口の中の状況と検査結果をあわせて確認します。
検査は、それぞれの歯の表面に歯垢(プラーク)がどのくらい付着しているのかを診る「プラークチャート」、レントゲンや口腔内写真の撮影、歯周ポケットや歯肉のやせ具合などを診る「歯周組織検査」を行い、歯周病の進行具合を正確に把握します。
初診の患者さまには、正確な口腔内の状態の確認のために大きな写真(パノラマ写真・右図)の撮影をお願いしております。
-
- 3治療計画のご提案
-
検査結果に基づいて歯周病の進行状況をご説明し、適した治療計画をご提案します。患者さまにも画像やデータを見ていただきながら、今度どのように治療を進めていくのかなど詳細をわかりやすく説明していきます。
-
- 4治療
-
ご提案した治療計画に納得・同意していただいた後に、歯周病の治療を開始します。
歯周病の治療は、おもに以下の方法で行います。-
プラークコントロール(歯磨き指導)
患者さまのお口の状況に合わせたケアグッズを選び、歯周病菌の巣となる歯垢(プラーク)をしっかり取り除く効果的な歯磨き方法を指導いたします。口腔ケアは毎日必ず行いましょう。
-
スケーリング・ルートプレーニング
スケーラーやキュレットといった専用の医療器具を使用し、歯の表面のほか歯周ポケットの奥深くにたまった歯垢や歯石を徹底的に取り除く治療です。場合によっては局所麻酔を使用します。
-
歯周外科治療
スケーリング・ルートプレーニングで歯垢や歯石を取り除いても症状が改善しない場合は、歯肉を切開して外科的処置を行います。
あわせて、破壊されてしまった歯槽骨を再生する「歯周組織再生療法」や、ブラッシングしても問題のないように歯肉を整えてやせてしまった歯肉を元に戻す「歯肉歯槽粘膜形成術」などを必要に応じて行います。
-
-
- 5再検査
-
治療に成果がみられるか、改めて検査をして確認します。経過が良好で異常がなければ、この状態を維持していくためのメンテナンスを行っていきます。
-
- 6メンテナンス
-
治療によって健康な状態を取り戻した歯肉や歯槽骨、お口の機能を維持していくためには、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
まずは、ご自宅でのケアが行き届いているかをチェックします。場合によっては、改めて効果的なセルフケア方法をご指導します。 その後に、歯磨きでは取り除けない歯垢や歯石を専門の器具で除去するほか、かみ合わせに異常がないかの確認も行います。